「病気が治らなくても、みんなが幸せになれる医療」が
真生会の目指す医療です。
病気を障害に置き換えて読むことも必要です。
生来、そして、生涯にわたり障害とともに生きる方が
幸せになられるよう、私たちはどうあるべきでしょう。
どんな人も皆、平等でかけがえのない尊い命を持って
いるという思いで医療を実践することが、まず大切です。
月刊人生の目的の記事では次のように書きました。
難病の患者さんを多く診療されている中島孝 先生(国立
病院機構新潟病院院長)は、「自分では日常生活動作が
まったくできなくなり、全介助で経管食を使い、みなに支え
られている状態であっても、人間は対等な尊厳をもち、幸せに
なりうると考えます」とおっしゃっています。
あるご夫婦に重症の心身障害のお子さんが生まれました。
皆さんなら医療従事者として、どのような言葉をかけますか。
そのお子さんの主治医の言葉です。
「息子さんが『ボク生まれて来てよかったよ』と言って
くれるようなことを1つでも2つでもしてあげてください」
ご夫婦はこの言葉を支えに息子さんをずっと大切に育てて
おられます。
この言葉がなければ「なんで僕を産んだの」「僕は生まれて
来て良かったの」そんな言葉に押し潰される日々を送って
おられたかも知れません。
こんな言葉をかけられる医療従事者になるには
それには「病気が治らなくても誰もが幸せになれる」という
信念が必要です。
「病気が治らなくても幸せになれるって本当だろうか」
それは「本当にそうだな」という経験を重ねることで信念に
変わって行きます。
それがたくさんの笑顔を育む私たちの原動力です。