お知らせ

病院からのお知らせ

戻る

国際活動2019年6月25日(火)

中国との医療交流2019

3月26日(火)からほぼ一週間の日程で、真鍋院長、舘アイセンター長、国際医療支援チームのスタッフ(3名)5名による中国訪問が行われました。2014年から始まった当院と中国の病院との医療交流は、今回で5回目を数えます。今回の訪中の主目的は、昨年も訪れた河南省・三門峡市にある黄河病院で開催された学術シンポジウムへの参加。一行は他にも、深圳大学附属病院(深圳市)、鄭大中医病院(三門峡市)を訪問、それぞれの病院との交流を深めるとともに、中国の医療事情の視察も行ないました。

深圳(しんせん)大学附属病院

一行が最初に訪れたのは、深圳市の深圳大学附属病院。香港から北へ約30kmに位置する深圳市は、中国経済のけん引役として1980年代から急速な発展を遂げてきました。今日では人口1,200万人を数える(東京は930万人)、中国でも五本の指に入る大都市です。
中国の病院はいくつかのレベルに分類されており、上から順番に「3級甲」「3級乙」「3級丙」、さらに「2級甲」「2級乙」・・・と続きます。深圳大学付属病院は最上級の「第3級甲等」に位置する病床数820の総合病院。いわば「深圳という大都会に立地する最上クラスの総合病院」と言うことができるでしょう。

院長の孫氏は日本の大学への留学経験もある知日家で、とても好意的に一行を迎え入れてくださいました。病棟には「少生病、少住院、少負担、看好病(病気にならず、入院が少なく、負担が少なく、健康的に)」という医療目標が掲げられ、高度な医療サービスが提供されていました。中でも目を引いたのは、人工透析サービスの充実度。1日3クール、12時間にわたって行われ(真生会富山病院は2クール)、透析装置も充実し、多くの患者の医療ニーズに応える体制が整えられています。
院内を見学後、孫院長をはじめとする医療スタッフを前に、真鍋院長が講演し、「自利利他」の仏教精神を理念に掲げ病院を運営していることを説明。自利利他の理念は、先述した深圳大学付属病院の医療目標とも共通するところがあり、共感をもって受け止められていました。

中華文化発祥の地、中原(ちゅうげん)地方へ

深圳大学付属病院を訪問した翌日、一行は次の訪問地である河南省三門峡市を目指しました。真鍋院長と舘アイセンター長は、2018年8月にも三門峡市の黄河病院と鄭大中医病院を訪れたことがあり、今回は2度目の訪問となります。
河南省は深圳の北方約1,700km、「三国志」の舞台ともなった「中原(ちゅうげん)」地方にあり、三門峡市はその西部に位置する地方都市です。地方都市といっても人口は約230万人。日本で言えば名古屋市と同レベルの大都市ですが、農村部など郊外エリアが多くを占めています。こうした地方都市と、深圳のように都市化が進んだ地域とでは、医療事情はどのように違うのか?それを知ることも今回の目的のひとつです。
深圳から新幹線に乗車し中国大陸を北上すること約8時間、一行は三門峡南駅に到着。翌日からの病院訪問・医療交流に備えました。

鄭大(ていだい)中医医院

鄭大中医病院は、「中医」の名が示すように中国の伝統医療である鍼・灸・漢方などの医療を提供する病床数100の中規模病院。整形外科と内科も併設しています。
病院見学の後、交流会が開かれ、真鍋院長が真生会の理念について詳しく話す時間を持てました。医療通訳 宮下 同行した医療通訳の宮下麗娜さんの通訳で、「自利利他の精神」「なぜ生きる」の重要性を講演しました。
2度目となる今回は王院長より、「昨年聞いた自利利他の精神を、当院の活動方針にも組み入れた」「今後もその理念に基づいた医療を提供していきたい」との熱い反応が返ってきました。
その後、同院から中医学の紹介があり、本場の漢方薬や湿布薬などについての説明を受けました。

黄河病院での国際学術シンポジウム

今回の訪中最後のイベントは、黄河病院で開催された国際学術シンポジウムへの参加。シンポジウムには日中米の医療関係者が集まり、最新の医療技術の共有や情報交換が行われました。
黄河病院は三門峡市にある基幹病院で、病床数1,000を数える最上ランクの「第3級甲等病院」です。一行が到着すると、病院の医師・医療スタッフがずらりと並び、熱烈な歓迎式典が行われ、その盛大な歓迎ぶりに、今回初の中国訪問となる佐々木医師は目を白黒させていました。

歓迎式典、病院見学の後、一行は病院内のシンポジウム会場へ。真鍋院長、舘アイセンター長、佐々木医師は、それぞれが専門とする部会で講演する機会を得ました。
真鍋院長は耳鼻科部会で「耳管開放症の治療」について、佐々木医師は内科部会で「日本における内科診療の現状」を、さらに舘医師は「強度近視に合併する特徴的な疾病の治療」について、なんと中国語で講演するという離れ業を披露。また三医師とも真生会の理念にも言及し、参加者の共感を得ていました。

中国の医療事情

黄河病院で一行が目にしたのは、患者数の多さでした。人口に比して病院の絶対数が少ないためか、黄河病院ほどの大規模病院でも患者が列をなし、診察室も溢れかえる状況。また入院患者に若年層が多く、この傾向は深圳の病院でも見受けられました。黄河病院で特徴的だったのは、病状に肺炎や感染症が多く見られたこと。地方部の衛生状態が原因かもしれません。

これからの中国人患者さんの医療ツーリズムについて
佐々木医師

今回初めて訪中した佐々木医師は「医療者はこれほど多くの患者によく対応しているものだと感心した。患者も朝2時から受付に並び夕方に診察してもらう状況」と、中国の医療事情に驚きを隠せません。その上で「微力ではあるが我々も外国人患者受け入れ医療機関認定制度の認定病院として力になっていきたい」と語ります。

自利利他の精神をこれからも広めていく

三門峡市では、中国での新たな病院づくりについても話し合う時間を持つことができました。中国医療者との交流を通じて、膨大な数の患者を前に奮闘する医療者をサポートしていくことの必要性。そして「自利利他の精神」の必要性――それらを確信できた今回の訪中でした。
「医療に国境はない」との言葉どおり、中国にとっても日本にとっても必要とされているのは「自利利他の精神」に基づいた医療です。真生会を発信基地として、医療におけるこの精神の重要性を訴える活動を、これからも続けていきたいと思います。

ページトップ