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先輩医師・職員紹介
医師

“人間不可解なり”――人は面白い。

H.H. 皮膚科

医学部医学科卒業
2000年入職

医師 H.H.

医療の道に進んだ理由は何ですか?
子供の頃より引っ込み思案で、人間相手の仕事にだけは就きたくないと思っていました。友達も少なく、いつも一人で遊んでいました。一人でいるときが一番落ち着き、将来は研究職につき、生涯研究室で暮らそうと思っていました。数学、物理、化学に興味を示し、理学部に入学しました。
そこで「人間」に出会ったのです。
一切の妥協、あいまいさを認めない数学。あいまいで、ルーズなところがある物理。それと比較すると「人間」は理屈ではとても計れない、不思議な存在でした。
「人間」は面白い。
人間を科学する学問は医学だと思い、医学部を再受験しました。
肉体や精神には、底の知れない未知の世界が広がっています。
「人間不可解なり」
当院を選んだのはなぜですか?
病院の理念に「自利利他の精神」が掲げられています。自利利他とは、他人に施すことそのままが自分の喜びになるということです。
こんな話を聞きました。「3つ持っているリンゴを、2つ他人にあげると1つになると思うだろう。実際は5つになるんだ。倍になって返ってくる」と。
数学至上主義であった私はビックリしました。
3−2=5。こんな常識破りの世界があるのか。
この病院には何かがあると思い入職を希望しました。
当院の印象はいかがでしたか?
接遇に力を入れている病院であり、医師も接遇の講習会がありました。 歩き方、おじぎの仕方、立つ姿勢、言葉遣い。他の病院には無かったことです。 今まで傍若無人に振る舞っていたことを反省いたしました。 医師こそ、接遇を身につけなければならないと思いました。
「当院ならでは」のことがあれば…
真生会にはフロアマネジャーが数名います。
フロアマネジャーとは、総合受付に立ち、行き場の分からない患者さんの案内をし、種々の相談に乗り、苦情に対応するという「病院の何でも屋」です。
患者さんの苦情を「学ぶべき宝の山」と称し、笑顔で応対する姿勢に全く頭が下がります。彼女たちと接しているとこちらも楽しくなり、どんな腹立つことがあっても許せてしまいます。
まさに接遇のプロであり、真生会の顔だと思います。
スキルアップのためにやっていることは?
皮膚は人体最大の臓器であり、面積的にも重量的にも最大級です。
皮膚科で扱うのは皮膚だけでなく、髪の毛や爪も守備範囲です。
「皮膚は内臓の鏡」と言われ、膠原病など内科疾患にも詳しくなくてはなりません。 髪の毛が薄くなった、まき爪が痛い、靴を履くと足が痛い、シミが増えてきた、ホクロを取りたいなど、病気とは言えないが悩んでいるという方も増えてきています。そんな方の要望に応えられるようになりたいと思っています。
あなたにとっての「抜苦与楽」「自利利他」とは?
良い医者とは、「説明してくれる医者」と思っていました。
確かにそうですが、その前に「聞いてくれる医者」でなければならないと思います。
患者さんの立場からすると、話を最後まで聞いてもらえないと「自分のことを十分理解してくれただろうか」「早とちりされていないだろうか」と不安が募ります。
十分な会話なしに治療が開始されると、「そんな検査して欲しくない」「そんな説明聞きたくない」「そんな治療は求めていない」「こんなことがして欲しかったのに」と不平不満につながります。
医療の経験を重ねれば重ねるほど、人間の多様性、病気の多彩性が思い知らされ、「自分は患者さんについて何も分かっていない」「よく聞かせてもらおう」と思います。それが「抜苦与楽」「自利利他」につながると信じています。
富山での暮らしはいかがですか?
富山はやはり刺身ですね。漁港が近いためか、キトキトの(新鮮な)魚がスーパーに並びます。
私は毎日のごとく刺身を食べています。そのせいか味覚が敏感になり、ふと立ち寄った食事処の刺身定食の魚が、前日の解凍ものであることが鑑定できました。
子供の頃は「魚より肉」と思っていましたが、「肉より魚」、それも「刺身」ですね。
当院を志す人へのメッセージ
就職先選びで案外見落としていることは、患者の年齢層ではないでしょうか。
真生会は他病院と比べて若い患者さんが多いです。
病気の苦しみに老いも若きも関係ありませんが、これからの日本を背負って立つ若者の健康を応援することは身が引き締まる思いです。
若者の方が病気も多彩であり、治療効果も俊敏に現れますので、やりがいがあるように思います。
エピソードがあれば…
「黙って見ればピタリと当たる」ではないですが、皮膚科は見た瞬間に病気が分かることがあります。
ある日、患者さんが体をみせて「あのー」と口を開かれた時、「焼きシイタケを食べましたね」と言い放ったところ、「何で分かったのですか」とびっくりされました。
皮膚科では有名な「シイタケ皮膚炎」だったのです。
その患者さんが後日、「お腹が痛いのですが、原因は何でしょうか?」と来院されました。「私の専門は皮膚科ですので分かりません」と返答したところ、「やっぱりそうですよね。先生は何でも分かるのかと思いました」とのこと。
占い師か超能力者のように思われていたようです。
とはいえ、「秒殺」ならぬ「秒察」により、患者さんのドングリ目を見るのが楽しみの一つです。
医師
  • S.K. 消化器内科
  • H.H. 皮膚科
  • S.O. 整形外科
  • T.K. 内科

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