医療法人真生会 真生会伏木クリニック

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院長ブログ

2022年10月13日(木)

帯状疱疹ワクチン接種のおすすめ

テレビコマーシャルがなされているためか、帯状疱疹ワクチンに
ついて質問されることがよくあります。

帯状疱疹とはどういう病気でしょうか。

水痘帯状疱疹ウイルスは水ぼうそう(水痘)を引き起こす病原体
です。
子どもの時に水ぼうそうにかかった人の体内(神経節と言われる
ところ)には、治った後も水痘帯状疱疹ウイルスが潜んでいます。
加齢、がんや糖尿病などの免疫力の低下、過労、ストレスなどを
引き金にして水痘帯状疱疹ウイルスが活動を再開して、身体の
片側に痛みを伴う帯状の皮疹を引き起こします。皮疹が治った後
も痛みが残ることがあり、帯状疱疹後神経痛と呼ばれます。
長期間頑固な痛みが続くこともあります。

帯状疱疹ワクチンについて

帯状疱疹を予防するワクチンに2種類あります。
どちらも帯状疱疹が発症することが多くなる50歳以上の方が接種
対象です。

一つ目は乾燥弱毒生水痘ワクチンです。このワクチンは1回の皮下
注射で、本質的に同じ薬剤の海外臨床試験では帯状疱疹発症率を
51.3%低下させ、ワクチン接種後5年間の効果持続が示されています。
しかし、生ワクチンであるため、がんなどの免疫機能の異常のある方、
免疫抑制剤や抗がん剤を投与されている方には接種できません。
副反応は注射部位の発赤、かゆみ、熱感、腫れなどです。

二つ目は一昨年に販売が開始された乾燥組換え帯状疱疹ワクチンです。
このワクチンは不活化ワクチンで、2ヵ月間隔で2回筋肉内注射します。
臨床試験の有効性は高く、50歳以上で97.2%、70歳以上で89.8%です。
ワクチン接種8年後も84.1%の予防効果が持続します。
副反応は注射部位の痛み、発赤、腫れ、筋肉痛、疲労、頭痛などです。

帯状疱疹は一度かかると頑固な神経痛が数年続くこともありますので、
50歳を過ぎられた方には帯状疱疹ワクチンの接種をおすすめします。
過去に帯状疱疹にかかられた方も身体の免疫力が低下すると、再びなる
可能性があるため、予防接種を受けられた方がよいです。
真生会伏木クリニックではどちらのワクチンも接種できますので、
希望される方は電話でご予約下さい。

【参考文献】
中野貴司「感染症に対するワクチン 水痘・帯状疱疹」
(臨牀と研究・99巻4号・令和4年4月)

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