さくらももこさんは言わずと知れた国民的漫画家です。。。
実は私はさくらさんの、、、、、、、大ファン なのです。。。。
日曜日の夕方に放映されている「ちびまる子ちゃん」は32年間続いていますね。
またさくらさんは、エッセイストでもあります。
2018年8月15日、大変残念なことに、逝去されています。53歳でした。
初期のエッセイ3部作の「もものかんずめ」「さるのこしかけ」「たいのおかしら」は、ベストセラーになりました。
その3部作最後の「たいのおかしら」の一番最初にあるエッセイが【歯医者に行く】です。(2003年発刊)
とてもおもしろく、何回も読み返しました。。。。
以下少~し抜粋します。。。。。
歯医者に行く
半年程前、うがいをしていたら奥歯の詰め物がコロリととれた。私は驚き、「おお、二十年も前に詰めた物がこうして役目を終えて遂に出てきたか。よしよし、よくがんばった」等とひと通り詰め物に感謝した後、次第に痛みを覚えてきた。
やはり歯医者に行くべきであろう。行くべきなのは分かっているが、心は嫌だと言っている。しばらく放っておいたらさぞ痛くなるであろう。
そう思いつつしばらく放っておいたので、案の定“さぞ痛く”なってきた。
冷たい物を食べれば「ひぃぃ」と叫び、熱い物を食べれば「おぉぉ」と叫ぶ。そのような生活を三週間余り続けてみたが、どうにもこうにも面白くない。
私は主人に「歯医者に行こうと思うのだが怖くてなかなか行けない。一体どうすれば良いか」と相談してみた。すると主人は「それなら笑気ガスを使用している歯医者に行けばいい」と答えた。
主人の言うところの“笑気ガス”というものは、鼻から吸い込むだけで恐怖心が取り除かれ「さあ、いつでもドンと来い」と勇気まで湧くという不思議なガスなのだそうだ。
この世にそんな便利なガスがあったとは!! ガス=オナラの常識は葬られた。
私は“笑気ガス”を心に抱き、主人から教えられた歯医者に駆け込んで行った。中略
何か幸せな気分であったため帰り道の和菓子屋でつい団子を買ってしまい、口の中の麻酔が効いているうちに食べてみるという実験までしてみた。
大体予想していた通り、口の半分は正常な味覚で捉えたが、麻酔方面の半分では丸い物が単にゴロゴロ動く感じがするだけであった。
うっかり麻酔側の頬を少し噛んでしまったらしく、ずいぶん経ってから痛くなってきた。
これも団子でくだらない試みをした自分のせいであり、以後気をつけるための教訓となった。
とても面白く、かつためになるエッセイでした。教訓として、麻酔して治療した場合は、麻酔の効果が切れるまで(しびれがとれるまで)ものを食べないということ。誤って頬を噛んでしまい、裂傷となると、治るまで、痛い思いをしないといけません。
わたしも歯を抜いた患者さんや、麻酔して神経の治療をした患者さんに、「くれぐれもしびれが取れるまで、食べてはだめですよ。熱いものを飲んでもいけません。感覚がマヒしていますから、やけどしたり、ほっぺを噛んだり、ベロを噛んだりしてあとから痛い思いをしますよ~~~」
とお話しています。それでも何人かは「噛んだ~~~」と言って駆け込んでこられます。
感覚ないので思わず裂傷が激しくなってしまうんです。
皆さん、くれぐれも気を付けてくださいね。。。。
あと、、、真生会デンタルクリニックでもこのエッセイの発刊当時は笑気ガスを使っていましたが、今は使用していません。吸っている間は恐怖心がとれますが、外してしまうとすぐ、覚醒されるからです。治療している間は口を開けているので、マスクができず普通の感覚での治療になります。真生会富山病院・アイセンターのように鼻チューブのみで継続的に笑気ガスを入れるという方法もありますが、歯科は口の中の治療ですので、上唇を引っ張ったりするとチューブが外れたり、治療の際に邪魔になったりもしました。
歯科治療という特殊性の中で上手に利用できれば良いのですが、これからもっと使用勝手のよいものができるかもしれません。その際はあらためて導入を検討したいと思います。
今は、笑気ガスを使用するより、時間をかけて、説明し、ゆったりした気持ちで治療してもらうことが大切と考えています。
実は、さくさももこさんが歯科について書かれているのはこのエッセイだけではありません。
私はその前の2000年に発刊された、さくらさんが編集長をされ、すべてのコーナーを書き上げられた「富士山」という本に注目しました。1年間で4冊が発行されています。
その最後の4冊目に
ザ・健康 歯医者に通う
という、見開きコーナーがあり、さくらさんが歯医者に通うことを勧めておられます。
(この「富士山」は1年間に4巻が発刊され、4巻目が最終刊となっていましたが、その2年後に5巻目が発刊されています。それが最後の最後でした、、、)
以下抜粋です。
ここんとこ数か月前から、歯科に通っている。
別に痛くも悪くなっているということもなかったのだが、昔治療した歯を調べてもらって詰め物を交換してもらったほうが良いと思ったからである。
なぜかというと、昔治療した歯の詰め物により金属アレルギーになる人が最近増えているというテレビ番組を観たので、気になり歯科に行くことにしたのだ。これも健康の一環のひとつといえよう。
別に悪くもない歯を治療するというのは、けっこう根気がいる。
詰め物を交換しなくたって、今のところ何の問題なく過ごしていられたのに、それをあえて「調べて下さい。そして少しでも悪いところがあったら治療して、新しい詰め物に交換してください」と言って歯科に何か月も通うのだから、自分でも何やっているんだろう、、、
と思うこともたびたびだ。中略
私は(治療中)自分の発したその声(「グエ」というガマガエルみたいな声)がおかしくてたまらず、笑いたくなってきたので困った。
もしも笑ってしまったら、削る機械が変なところに動いてしまい、口の中をケガする可能性があるから絶対に笑えない。でもおかしい。あのグエという声が耳に残って離れない。
必死で腹に力を入れ、全身を固くし、笑わないように努めた。思わぬところでいろんな苦労があるのだ。
こんな歯科通いがまだまだ続く。しかし、痛くなる前に行っといた方がいいし、点検してもらうのもためになるから、皆さんにもおすすめする。以上
歯科に定期的にメンテナンスに通院する大切さを教えてくださっています。
痛くなってから通院するのではなく、痛くなる前から現在のお口の状況をチェックし予防してゆくことがとても大切です。
さくらさん、ステキです。(⋈◍>◡<◍)。✧♡
冠を作ったり、詰め物をしたり、義歯を製作したり、いろいろな歯科治療がありますが、何が一体一番大事かというとメンテナンス(定期健診)だと私は考えています。
治療が終わって噛めるようになって快適になったのがゴールではありません。
それは出発点です。そこから歯はどんどん使い込むようになってゆきます。かみ合わせも変わってゆきます。
ときどき、患者さんから質問を受けます。。。。
「先生、この入れた歯、あとどれくらい持ちますか、、、、?」
「長くもたせるなら、、、、床の間に飾っておくのが一番、、、、、。毎日使っているものだし、 固いものも食べるし、熱いものも冷たいものも、、、すっぱいものも、、甘いものも。。。
24時間口の中で使っているんだから、永久に持つものなんてないですよ。。。
長く持たせようと少しでも思うなら、定期健診にかよってください。。。。。」
とお話します。
それでずっと定期的に、、、、
悪くなくても、、、、痛くなくても、、、、通院くださっている患者さんもたくさんおられます。
頭がさがります。
「痛くなくても定期的に通院する」 それが歯科医院を上手に利用されるスタンスでありスタンダードだと思います。
私はいつも定期的なメンテナンスをお勧めします。
さくらさんの「富士山」に描かれていたイラストを真似てみました。
色鉛筆で描いてみました、、、かなり違います、、、、、、、。似ているとはいわれるのですが、、、さすがに、、、、💦
もうひとつ、、、 これも、、、、、💦💦💦 さくらさん、、ゆるしてください、、、