口腔機能を高める

当クリニックは、福岡市博多区で開院されている今井一彰先生(みらいクリニック院長)考案“あいうべ体操”の普及に努めております。

当クリニックは「鼻呼吸を日本の文化に」を合言葉に、その啓蒙を行っております。

1. 唾液の量を増やす

加齢とともに唾液の分泌量は減少してゆきます

成人は1日に約1.5リットルの唾液を分泌していると言われますが、高齢者の唾液分泌量は、20代の7分の1程度と言われています。

また、加齢による唾液分泌量の減少以外にも、高齢者は様々な薬を服用していることが多く、その副作用により唾液の分泌量がさらに少なくなる傾向にあります。

唾液は、

1日30回の“あいうべ体操”を行うことで、唾液の量が増え、それがそのまま口腔ケアにつながります。

2. 口呼吸から鼻呼吸に

現代は、口呼吸の人(口で呼吸を行っている人)が
増えていると言われます

人間は本来、鼻で呼吸し、口で食べる生き物です。
ところがしゃべる機能を獲得したときから、口で呼吸することができるようになりました。
「口で息をしている人は?」と尋ねると手を挙げる人はいますが、「鼻で食べる人は?」と聞いても、そのような人は一人もいません。
本来、呼吸は鼻でするものであり、口で行うものではありません。
口で呼吸することから、多くの弊害が体に起こってきます。

鼻呼吸を行っていれば、異物が入ってきても鼻毛や上咽頭(鼻の一番奥の、喉との境目)でブロックできますが、口呼吸では、そうはいきません、喉や気道に直接異物が入ってきます。
口呼吸を続けていると、喉の防御機能であるリンパ組織では対応しきれず、全身へ悪いものが流れ込んでゆくことになります。それが体へ悪影響を及ぼします。
口呼吸から鼻呼吸へと切り替えて全身の健康を保ち、また取り戻しましょう。

3. 正しい舌の位置

皆さんの舌の定位置はどこでしょうか

そもそも舌は筋肉でできています。
高齢化とともに、この舌の筋肉も衰え、その影響で、舌の位置が下がっていきます。低位舌(ていいぜつ)と言われる状態です。
舌を正しい位置(口の中の上側の壁に密着する位置)に維持する為には 舌を鍛えなければなりません。

“あいうべ体操”には、舌を鍛える効果があり、舌を鍛える訓練とも言えます。
舌を鍛え、正しい位置に維持することは、鼻呼吸を維持することにつながります。
舌が低い位置のままでは、「鼻呼吸しているよ」と言っていても、それは一時的なもので、隠れ口呼吸という状態です。
“あいうべ体操”で舌を鍛えて、真の鼻呼吸にしましょう。

4. 口と全身の関係

皆さんは、1日に噛む回数はどれくらいでしょうか

現在はソフトフードが広がり、柔らかい食べ物が好まれる時代になりました。
その影響で、1食のうちに噛む回数は

戦前
1400回
現在
620回

と言われ、戦前に比べ、半分以下になっています。
一時期言われた、若者のソース顔、しょうゆ顔というのは、顎が下に行くほど細くなってきています。
しかし、戦前は顎が発達して、がっちりした顔が多かったと感じませんか。
食事の時間も現代は1食11分程度で済ませているようです。
人は1日に約1.5kgの食物をとっています。そして20kgの空気を出し入れしています。
どう噛むか、どう飲み込むか、どう息をするか、はとても大切なことであることがわかります。

口でしっかり噛んで、“鼻”でしっかり呼吸して、全身を健康に維持しましょう。

5. インフルエンザの予防に“あいうべ体操”

インフルエンザの予防に手洗いとうがいは、いつも言われることで、学校でも行われています。
しかし、手洗いとうがいを励行していても、毎年多くの子供達がインフルエンザにかかり、学級閉鎖になっています。
九州の小学校では“あいうべ体操”に取り組み、インフルエンザの罹患率が減少したというデータがあり、話題になり、テレビでも紹介されました。
“あいうべ体操”を行うことで、口呼吸が鼻呼吸に変わり、それがインフルエンザの予防につながったのです。
当クリニックでは“あいうべ体操”の普及に努めております。

6. 口腔機能の向上が義歯(入れ歯)の安定をもたらす

義歯の安定が悪い原因を考えたとき、2つの理由があります。
義歯の安定は、顎堤(がくてい)(義歯をのせる土手の部分)の量と口腔周囲筋の発達具合によります。
高齢化によって、口の周りの筋肉が衰えると、義歯を維持する筋肉も衰え、(義歯を)支えることができなくなっていきます。

“あいうべ体操”を行うと、衰えた口の周りの筋肉(口腔周囲筋)が鍛えられていき、義歯も安定しやすくなります。“あいうべ体操”により口腔周囲筋を鍛えて、義歯の安定をはかり、今までより快適な生活をめざしましょう。

7. 動物と人間の顔貌の違いは

動物は顔貌が左右対称です。
人間は、年を重ねると、右と左と顔貌が非対称になってきます。それは習癖によって変わってゆくからです。
片方の歯だけで噛んでいると、正中がずれてゆきます。

また頬杖をついていると、頬杖している側の顎が内側にはいってゆき顔貌が変わっていきます。寝ている時も、片方だけを下にして寝ていると同様のことが起こります。
毎日の様々な習癖によって、顔貌は変化してゆきます。悪習癖をなくし、左右均等で噛む習慣をつけましょう。

参考文献:「鼻呼吸なら薬はいらない」新潮社 今井一彰著

今井一彰先生とのご縁

真生会(当クリニック)では、今井一彰先生をお招きして教育講演会を開催しました。
今井先生は薬を使わない医療を進めていらっしゃいます。
当クリニックは、その趣旨に賛同し、“あいうべ体操”の普及と“鼻呼吸を日本の文化に”を合言葉に口腔ケアに取り組んでまいります。

みらいクリニック
http://mirai-iryou.com/mc_policy.html

平成26年11月22日 今井先生と当時のスタッフで撮影

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