病気と治療

眼科の病気と症状

霰粒腫

霰粒腫
《霰粒腫》

霰粒腫は「さんりゅうしゅ」と読みます。
まぶたの上下の淵には、油を出す腺(マイボーム腺)が多く存在します(上眼瞼で30~40個、下眼瞼で20~30個)。
そのマイボーム腺の出口が閉塞し、肉芽組織が増殖し腫れるものを霰粒腫と言います【写真】
患者さんには、「瞼の油を出す腺が詰まって、中に溜まって腫れるものです」と説明しています。

霰粒腫そのものは痛みはありませんが、細菌が感染すると痛みが出てきます。
その状態を、「化膿性霰粒腫」と言いますが、俗に「ものもらい」「めばちこ」「めぼろ」と言われるものです。

感染時の治療は、抗生剤の点眼や内服です。
痛みが治まれば、抗生剤は終了して大丈夫ですが、腫れは治りません。
肉芽は時間とともに吸収されることが多いですが、完全には消失しないこともあります。

その場合、美容的に気になれば切除します。
切除のタイミングは、原則は本人が気になればですが、皮膚表面に破れて出てきてしまうと、皮膚に瘢痕が残ることがあるので、表面に破れて出てきそうであれば、切除を勧めることもあります。

手術は、皮膚側から切開する方法と、結膜側から切開する方法があります。
原則として、瞼板内に留まる肉芽は結膜側から、瞼板外に出てきた肉芽は、皮膚から切除します。
切除後1週間はまぶたが腫れるため、大事な用事は入れないようにしましょう。

また、皮膚から切除した場合、縫合することが多いです(無縫合の場合もあります)。
その場合、1週間後に抜糸をします。
なお、人にもよりますが、中学生以上であれば外来で切除可能ですが、小学生以下の場合は全身麻酔となります。

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