病気と治療

低濃度笑気麻酔

当院での手術の苦痛を和らげる取り組み

眼科は、手術でしか治せない病気が多くあります。
手術は、患者さんの負担を伴う治療です。肉体的な痛みだけでなく、不安や心配などの精神的な苦痛もあります。精神的な苦痛は痛みを感じやすくし、痛みが強いと不安も大きくなる、という悪循環も起こります。
日本人は我慢することを美徳とする風土があるため、患者さんは本当によく耐えてくださいますが、手術の苦痛は少しでも和らげるべきであり、そのための工夫は、どんどん取り入れていくべき、というのが当院の方針です。その工夫の一つが、低濃度笑気麻酔です。

低濃度笑気麻酔とは

笑気とは、亜酸化窒素(N2O)という気体です。嗅いだら陽気になることが名前の由来だそうです。
笑気には、痛みを感じにくくし(鎮痛作用)、不安を減らしリラックスさせる効果(抗不安作用)があります。全身麻酔では古くから使用されています。
その笑気を低濃度で吸入すると局所麻酔でも使用できます。以前から歯科では使用されていましたが、近年眼科でも導入されるようになってきました。

準備は、手術台に移動後、鼻にチューブを装着するだけです。酸素と笑気が流れてきて、数分で穏やかなリラックスした気分になっていきます。
笑気がない場合よりも、落ち着いた気分で手術を受けられることがわかっています。寝たり、意識を失ったりすることはなく、非常に安全性が高く使いやすい麻酔ですが、痛みや不安が完全になくなるわけではなく、妊娠中の方は使用できません。少しの痛みや不安にも耐えられない、という方には、静脈麻酔(点滴から薬を入れる)を用いて寝ていただく麻酔も可能です。
当院では、一部の手術を除いて全手術で低濃度笑気麻酔を使用します。望まれない方は、申し出ていただければと思います。

手術にはどうしても負担が伴いますが、患者さんと医師とで協力し、できるだけ苦痛の少ない手術を今後も目指していきます。

低濃度笑気麻酔

低濃度笑気麻酔
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