病気と治療

専門外来

白内障

医療従事者の方へ

どのような症例でも対応しております。
多焦点眼内レンズ、トーリック眼内レンズを用いた白内障手術も行っています。3焦点の多焦点眼内レンズも導入しました。角膜乱視の強い方(当院では角膜乱視1.5D以上で適応としています)や、眼鏡フリーの希望のある方はいつでもご紹介ください。
ORA(術中波面収差解析装置)、VERION(術中イメージガイドシステム)も導入し、LASIK眼や円錐角膜眼に対しても、より精度の高い手術が可能となりました。
眼内レンズ縫着や強膜内固定が必要な症例も、技術の進歩により短時間、低侵襲で手術が可能となりました。90歳代のご高齢の方でも手術をされると喜ばれますので、適応の方があれば気軽にご相談ください。

一般の方へ

白内障は目の中の水晶体が濁ってくる病気です。【図1】
症状は、遠くも近くも、眼鏡をかけても、視界全体がぼやけて見えにくくなります。その他、近視が進行する、光がまぶしくなる、などの症状が出る人もあります。

【図1】

進行の早い遅いはありますが、年齢を重ねるとすべての人がなります。白内障は目薬で治したり、予防する病気ではなく、手術で治す病気と言えます。
基本的に、白内障には手遅れということは稀ですが、余りにも治療を先延ばしすると、大きな手術が必要となったり、後遺症が残る場合もあります。「一生に一度は受けなければならない手術」と心得て、症状が現れたら、我慢せずに眼科を受診するようにしましょう。

白内障の手術は、水晶体を除去して、アクリル製の人工レンズを入れる手術です。多くの場合は短時間で終わり、痛みもほとんどありません。
この時、どのようなレンズを入れるかで、術後の見え方は変わります。
よく誤解されている方がありますが、白内障手術は、基本的には「眼鏡をなくす手術」ではありません。手術後も、眼鏡は必要なことがほとんどです。しかし、術後は遠くか近く、どちらかは眼鏡なしである程度見えるようになります(どちらかは眼鏡が必要です)。【図2】
白内障手術を受ける前には、どのようなレンズを入れるのか、よく相談するとよいでしょう。

《手術後の見え方》
【図2】

最近は医学の進歩により、いろいろな種類のレンズが開発されています。
乱視が強い人は、それを矯正するレンズも出てきています。
また、眼鏡をなくしたい、という要望に応えるよう、高額ですが、2か所以上に焦点が合う多焦点眼内レンズも登場しています。
多焦点眼内レンズを用いた白内障手術は「選定療養」と呼ばれる、眼内レンズの料金分を自費で支払う手術となりました。多焦点眼内レンズもいくつかの種類があり、それぞれメリット、デメリットがあります。また、種類により価格も異なります(10~20数万円)。
多焦点眼内レンズ

白内障手術の前に精密な検査を行い、どのようなレンズを入れればよいかを計算しますが、どうしても計算がずれる人があります。当院では、そのずれを少なくするため、手術中にも目の形を測定し、眼内レンズの度数を確認する、ORA(術中波面収差解析装置)や、乱視の軸を術中に確認するVERION(術中イメージガイドシステム)も導入しています。そのため、LASIK後や、円錐角膜の方など、計算がずれやすい人に対しても、誤差が少なく手術が行えるようになりました。
それでも度数がずれる人には、術後にフェムトセカンドレーザーを用いて、度数を矯正することも可能です。

一生に一度の手術だからこそ、よりよいレンズを入れて、快適に過ごせるよう、確かな技術と最新の設備で支援いたします。

ORA(オラ)システム(術中波面収差解析装置)

手術中に目の状態をリアルタイムに測定して、眼内レンズの度数を決定できる機器です。従来は、手術前の検査結果から予測して眼内レンズの度数を決めていました。特に、多焦点眼内レンズなどのより誤差を少なくする必要がある場合や、LASIK後などの従来の予測値では誤差が生じやすい場合に有用です。

ORAシステム
《ORAシステム》

VERION Image Guided System(術中イメージガイドシステム)

白内障手術時に、術前に計画した切開位置や眼内レンズの位置、トーリック眼内レンズ(乱視矯正ができる眼内レンズ)の軸などを、モニターにデジタルマーカーで表示できる機器です。特にトーリック眼内レンズを挿入する時に効力を発揮し、正確に軸をガイドしてくれ、術後の誤差を少なくすることができます。

VERIONのモニタ表示
《VERIONのモニタ表示》
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