病気と治療

眼科の病気と症状

ステロイド白内障

ステロイド白内障とは

通常、白内障は加齢により発生します。50歳以上の人であれば軽い白内障は出てくるものですが、中には若くして白内障が発症することがあります。
原因はいくつかありますが、そのひとつが「ステロイド白内障」です。

ステロイドというのは、もともと体の中で分泌されているホルモンです。
体を元気にするなどの役割がありますが、炎症を抑える働きがあるため、炎症が関与する病気に対して、飲み薬や点滴、目薬や注射などでよく使われます。
現在の医療では欠かせない薬剤である反面、副作用もいろいろとあります。眼の代表的な副作用が、「白内障」と「緑内障」です。

水晶体が濁る病気が白内障ですが、ステロイドは水晶体の中でも後嚢付近が濁ってきます。【図】【写真】
ですので、典型的なものは、眼科医が見れば「ステロイドによる白内障だな」とわかります。

【図】
【写真】

白内障は手術で治す病気であり、ステロイド白内障も程度がひどくなれば手術が必要です。
手術法は通常の白内障と同じですが、若い人の白内障手術は、術後に老眼が進行することが一番の問題点となります。(白内障手術後は、多焦点眼内レンズという特殊なレンズを使用しない限り、眼鏡が必要になります)
そのため、まだ老眼が発症していない年齢の人は、ある程度進行するまでは経過観察をすることも多いです。

ステロイド白内障は、点滴や飲み薬よりも、目薬や目への注射などでステロイドを使用した時の方が発症しやすくなります。そのため、目にステロイドを使用している患者さんは、定期的に白内障の有無の評価を行います。
飲み薬ではそれほど発症しませんが、長期にわたり内服している人は、眼科もときどき通院するとよいでしょう。

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