まぶたの上下の縁には、油を出す腺(マイボーム腺)が多く存在します(上眼瞼で30~40個、下眼瞼で20~30個)。そのマイボーム腺が詰まったり、炎症を起こして働きが悪くなった状態を、「マイボーム腺機能不全」と言います。【写真】
マイボーム腺機能不全は、いろいろな目の周りの不快感をおこします。眼が疲れやすい、ごろごろする、目やにがたまっている気がする、目の周りが痒い、ものもらいができやすい、などなど。
またマイボーム腺から分泌される油分は、涙が蒸発するのを防ぐ働きがあるため、マイボーム腺機能不全により質の悪い脂分が出るようになると、ドライアイになりやすいです。最近では、ドライアイの患者さんの80%以上にマイボーム腺機能不全があるとも言われます。ひどくなってくると、睫毛の異常も生じてきて、睫毛乱生も生じます。
ご高齢になるほど起きやすいですが、化粧をしっかり落とさない、不規則な生活などから、若年者でも増加傾向にあります。デモデックスという顔ダニが生息していることもあります。