病気と治療

専門外来

眼瞼・眼形成

医療従事者の方へ

眼瞼下垂、眼瞼内反症、睫毛内反症、睫毛乱生、眼瞼皮膚弛緩など、多くの眼瞼手術を行っております。下垂や皮膚弛緩でお困りの方、睫毛のトラブルでお困りの方は、ご紹介ください。
小児の睫毛内反症、先天性眼瞼下垂も対応しており、ゴアテックスやナイロン糸による吊り上げ術を行っております。
また眼瞼痙攣、片側顔面痙攣に対するボトックス治療も多く行っています。不定愁訴の中に眼瞼痙攣の症例も比較的多く、診断、対応に苦慮する場合もご紹介いただければと思います。

一般の方へ

まぶたの皮膚は、人間の皮膚の中で最も薄いと言われます。またまぶたの異常は美容に関わると同時に、見え方や違和感などの目の問題にも直結する、などの特徴があります。目の機能を考えながら、まぶたの治療を行う分野を、眼形成といいます。

主なまぶたのトラブルには以下のようなものがあります。

眼瞼下垂

加齢やコンタクトレンズの長期使用、まぶたをこするなどにより、まぶたが下がってくることを眼瞼下垂といいます。軽度でも眼精疲労の原因となったり、重度になると視野が狭くなり見えにくくなります。【図1】

眼瞼下垂
【図1】

眼瞼下垂は、基本は手術で治します。通常は日帰りで、両眼の場合は1泊で手術を行っています。
また、重症の眼瞼下垂や、生まれつきまぶたを挙げる筋肉が発達していない先天性眼瞼下垂に対して、ゴアテックスを用いた吊り上げ術も行っています。

睫毛の異常

睫毛のトラブルには、睫毛の生える向きが内側を向いている(睫毛内反)、まぶたそのものが内側にめくれこんでいる(眼瞼内反)、睫毛の生える位置がおかしい(睫毛乱生)など、いろいろな種類があります。【図2】それらに応じて原因や治療法が変わります。
当院ではどのようなタイプの睫毛のトラブルも治療いたします。

睫毛の異常
【図2】

まぶたの出来物(腫瘍)

まぶたにはいろいろな出来物が出来ます。 もっとも多いのは霰粒腫で、まぶたの縁の脂を出す腺(マイボーム腺)が詰まり、中で炎症を起こして膨らむものです。細菌が入ると「ものもらい」「めばちこ」となり、痛みが生じます。痛みがなくなった後も、腫れて美容的に気になれば、切除します。
それ以外にも眼瞼には腫瘍が生じますが、稀に悪性のものがあります。見た目だけでは判断がつかないこともありますので、徐々に大きさが変わるものなどは、眼科を受診するようにしましょう。
まぶたの出来物は、多くのものは単純に切除するだけで大丈夫で、日帰りで手術を行います。

ただ、当院では病理検査の体制が整っておらず、最初から悪性とわかっているものは、大学病院にお願いをしています。

眼瞼痙攣、片側顔面痙攣

「目が開けにくい」「光がまぶしい」「目の周りの違和感が続く」という症状の時、もしかしたら眼瞼痙攣という病気かもしれません。

「痙攣」という名前はついていますが、実際は痙攣するわけではなく、自分の意思とは関係なく目が閉じてしまう病気です。原因ははっきりわかっていませんが、脳に原因があり、目の周りの筋肉を動かす信号をうまく送れないことにより生じます。付随して、まぶしさ、目の周りの違和感、痛みなどの異常感覚も生じることが多いです。

だいぶ知られてきましたが、まだその概念が確立されてから日が浅いため、知らない眼科医もあります。よく「ドライアイ」と診断されることが多いです。ドライアイと診断され、目薬ももらっているがよくならない、という方の中にこの病気が隠れていることがあります。

原因がわかっていないので、根本的な治療も残念ながらありません。
症状を和らげる方法として、まずは目の周りにボトックスと言われる、筋肉に力を入りにくくする薬を注射する方法から始めます。
値段が高いこと、一度注射すれば終わりではなく効果は3か月ほどであること、注射後、逆に目が開けにくくなったり症状が強まる人もあること、などは理解していただく必要がありますが、7~8割の方は症状が軽減されます。
また、まぶしさには遮光眼鏡という特殊な眼鏡や、目の開けにくさにはクラッチ眼鏡という目に触れることで目を開けやすくする眼鏡もあります。

似ている病気として、片側顔面痙攣というものがあります。
顔の片方の筋肉だけが痙攣する病気で、顔面神経という脳由来の神経が刺激されていることによります。こちらは原因も治療法もわかっており、根本治療は脳神経外科での手術、症状を和らげる治療としてボトックスの注射があります。当院には脳神経外科はないため、根本治療を希望された場合は紹介しています。

似た症状に、眼瞼ミオキミアというものもあります。
これは病気ではなく、目の疲れ、体や心の疲れなどから、目の周りの筋肉が痙攣してくるものです。長いと数か月続くこともありますが、必ず自然に治まってきます。
片側顔面痙攣との違いは、頬や唇の横も痙攣すれば片側顔面痙攣、目の周りだけであれば眼瞼ミオキミアのことが多いですが、悩んだ場合は、受診して相談してみてください。

当科では治療できない疾患

当科では、「眼窩」と言われる部位の治療は基本は行っておりません。
眼窩とは、目玉よりもさらに奥の場所のことをさします。たとえば外傷などで骨が折れた場合、耳鼻科にお願いしています。また眼窩の腫瘍の場合は、大学病院にお願いをしています。

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