斜視には、生まれつきのもの(先天性)と、生まれた後何らかの原因によりなるもの(後天性)があります。
先天性の斜視で日本で最も頻度が多いのが、間欠性外斜視です。次いで、下斜筋過動、調節性内斜視などがあります。
比較的稀な先天性斜視の中に、Duane症候群があります。
1905年にDuane医師が報告したため、このような名前がついています。稀な斜視の中では、比較的見かける斜視です。
眼球には、外眼筋という筋肉が6つついており、その外眼筋が動くことにより、眼球が動きます【図1】。
斜視には、生まれつきのもの(先天性)と、生まれた後何らかの原因によりなるもの(後天性)があります。
先天性の斜視で日本で最も頻度が多いのが、間欠性外斜視です。次いで、下斜筋過動、調節性内斜視などがあります。
比較的稀な先天性斜視の中に、Duane症候群があります。
1905年にDuane医師が報告したため、このような名前がついています。稀な斜視の中では、比較的見かける斜視です。
眼球には、外眼筋という筋肉が6つついており、その外眼筋が動くことにより、眼球が動きます【図1】。
そのひとつの外直筋を動かす神経である外転神経が、生まれつき発達していないこと(外転神経核の先天性無形性)が原因です。すると、上斜筋以外の4つの筋肉を動かす動眼神経の一部が外直筋に入り、支配するようになります。
そのため、動眼神経の働きで内側を向くと、本来は一緒に働かないはずの外直筋も動いてしまい(共収縮)、眼球が引っ込み瞼が細くなる(眼球後退、瞼裂狭小化)というのがこの病気の特徴です【図2】。
外直筋への動眼神経の支配の強さにより、
外直筋への動眼神経の支配が弱く、内斜視になる。
外直筋への動眼神経の支配が強く、外斜視になる。
外直筋、内直筋ともに働きが弱い。眼の位置は外斜視が多い。
があります。
1型がもっとも多く(70~80%)、続いて3型(15%)、2型(7%)という頻度です。
Duane症候群は多くが散発的にみられ、全身の他の病気は合併しません。稀に家族性のものもあります。
特徴的な目の動きで診断します。
などです。
アップシュート、ダウンシュートは、上直筋や下直筋へ入る動眼神経の異常や、外眼筋の上または下へのスリップか、線維化などが原因と言われています。
また、内斜視があると、顔を回して物を見るようになります(フェイスターン)。くせで顔を回す人もいますが、正面写真をとるといつも顔を回しているお子さんは、斜視を疑います。
他の斜視と同様、まずは目の機能(視力や立体視)が発達しているかを確認します。
正面を見ている時に斜視があると、弱視となる可能性があり、弱視があれば治療を行います。
弱視がなく、目の機能の発達が良好で、顔回しがなく、正面を見た時に斜視がなければ、経過観察となります。
顔回しがあったり、正面を見た時に斜視があれば、手術を検討します。
また、アップシュート、ダウンシュートが美容的に気になる場合、特殊な斜視手術(外直筋のY split法)を用いて、改善を試みる場合があります。
Duane症候群のお子さんは、斜視の手術により改善が見込めますが、それぞれの外眼筋の状態により効果はばらつくことがあり、思ったような結果にならない場合もあります。結果として斜視が悪くなったり、複数回の手術が必要となる場合があるため、医師とよく相談して決めるとよいでしょう。