専門外来
マイオピン(小児近視外来)
近視の進行抑制効果のある点眼薬「マイオピン」
【マイオピン点眼薬で近視の進行を抑える】
当院では、低濃度アトロピン(マイオピン)点眼を一日一回点眼することによって、近視の進行を抑制する治療を行っております。
マイオピンとは、学童の近視の進行を抑制することを目的にアトロピンを低濃度(0.01%、0.025%)配合させた点眼薬です。
Singapore National Eye Centre(SNEC:シンガポール国立眼科センター)の研究に基づいて開発されました。(Ophthaimology 2012;119(2):347-54)
【近視の進行を抑制するには】
近視とは、遠くがぼやけて、近くがよく見える目です。近視の多くは、眼軸長(眼球の長さ)が伸びることで、ピントの合う位置が網膜からずれて生じます。
眼軸長は、生後は短く、成長とともに徐々に伸びていきます。それに伴い、生後はみな遠視(遠くも近くもぼやける目)ですが、徐々に正視(遠くがよく見える目)に近づき、それ以上に眼軸長が伸びると、近視となっていきます。
眼軸長には遺伝、生活習慣ともに影響しますが、一度伸びた眼軸長は、戻ることはありません。そこで、眼軸長の伸びを抑えることが、近視の進行を抑制するために重要なポイントとなります。
マイオピン点眼は、眼軸長の伸長を抑制する効果があります。
【マイオピンの特徴】
- 副作用が少ない近視進行抑制点眼薬です
- 対象は6~12才の近視を有するお子さんです
- 0.01%マイオピンは眼軸長の伸展を、2年間で0.14mm抑制したと報告されています。(ATOM-J)
0.025%マイオピンはまだ日本での使用数は少ないですが、0.01%マイオピンよりも効果は強いといわれています
- まぶしさに影響を及ぼすことがあります
- 目の遠近調節機能(手元を見る作業)に殆ど影響を与えません
- 近目視力の低下に殆ど影響を与えません
- 毎日、就寝前に1滴点眼します
- 目薬1本(5ml)は両眼用に1か月間使用可能です
- 本製品はGMP(医薬品製造管理および品質管理基準)準拠の薬品会社により製造されています
【費用】
マイオピンの治療は自由診療です。健康保険や医療費助成制度は適応されません。
※3回目の治療以降は、3か月ごとの定期的な通院が必要です。
【Q&A】
- マイオピンの副作用はありますか?
- 7~8時間まぶしさとぼやけを感じることがありますが、就寝前に点眼すれば、朝には元に戻ります。
- 近視が戻る事は、ないでしょうか?
- 最近の研究では、0.01%マイオピンは2年以上点眼しなくても効果は維持できています。0.025%マイオピンはまだ分かっていないこともあります。一般的に濃度が濃いほど効果も強いですが、戻りもでてきます。
- 全身への影響はありますか?
- ありません。
- 効果がない方もおられますか?
- 効果がない場合もありますが(約25~40%)、効果の有無を確認するためにもまずは6か月は続けられることをお勧めします。