

3つの喜び
今年度の病院の活動の方針3は”医療者としてのやりがいを高める”です。
医療者としてのやりがいを高めるために、医療職の意味から考えてゆきましょう。
英語で職業のことを Occupation と言われますが、これは自分の生計を立てるために従事する仕事のことで、医療職は専門職という意味で、Profession と言われます。他にProfession と言われるのは、宗教家と法律家です。医療職者、宗教家、法律家の共通点は、それぞれの専門知識や技術で苦しみ悩む人を救うことにあります。
自分の生計のためではなく、人々の救済に専念できるよう、それら専門職は社会から大切にされ守られます。
では、これら専門職は、いつでも守られるのかと言えば、そうではなく、果たさねばならない3つの務めがあります。
1、利他の務め
自分のためでなく、常に苦しみ悩む人のために自分の存在はあることを自覚し努力すること。
2、研鑽の務め
どんな時でも最善の救済を果たせるよう、必要な専門知識や技術の習得、研鑽を怠らないこと。
3、選ばれる務め
苦しみ悩む人たちから「この人に任せよう」と選ばれる存在であり続けること。選ばれる存在であるために、苦しみ悩む人の苦しみに思いをかけ、自分のできる抜苦与楽の行いを実行すること。
”務め”というと、ストイックな苦しいイメージがありますが、この3つは”務め”でもあり”喜び”でもあります。人のために尽くせる喜び、成長する喜び、他者から選ばれる喜びです。
3つの喜びを持つ医療者が集う病院が笑顔の溢れる病院だと思います。一人一人が医療者の務めを自覚し、それを喜びにできる医療者になりましょう。