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院長通信

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親切の特別な意味、そして信頼

フロアの職員から、こんな患者さんがおられましたと報告してくれました。

車椅子で毎回通院されるAさんは、片麻痺で長距離の車椅子操作が難しく、
私たちが診療科や会計・売店へ、来院の都度、ご案内している方です。
Aさんとは、いつも楽しいやりとりをさせていただいていますが、今日、
こんな言葉をいただきました。

「いつも本当に親切にしてくれてありがとう。今はコロナで生活も
 いろいろ辛いけど、ここに来ると元気がもらえて嬉しいわ。」
 Aさんの笑顔と優しい言葉に私が元気をいただきました。

 ここで、注目したいのがAさんの「ここに来ると元気がもらえて嬉しい」
という言葉です。病気の人が元気になるのは、病が治る時だと思っている
方があるかも知れませんが、そうではありません。親切が人を元気にする
のです。なぜ親切を受けると元気になれるのでしょう。それは、心からの
親切によって「あなたは大切な存在です」というメッセージが伝わるから
です。治らない病気で人のお世話になってばかりいると「申し訳ないな、
私がいて良いのだろうか」というネガティブな心が出てしまいます。
そんな時に受ける心のこもった親切がお相手を大切な存在と認めることになり、
ネガティブな心を元気な心に変えるのです。ですから、医療機関での親切は
単に優しさを届けるだけではない特別な意味があることを知っていただきたい
と思います。
 そして、もうひとつ。 親切は信頼を深めます。なぜでしょう。
 親切を実行することは簡単ではありません。特に、さまざまな課題を抱えて
医療機関を訪れる方々への親切には、絡んだ糸を解きほぐすような忍耐と
努力が必要です。
「この人は、この病院は自分のためにここまでやってくれた」と
 必ず信頼してくださいます。
 一人でも多くの皆さんから信頼される人、病院になりましょう。

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