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院長通信

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未来づくり

2011年、東日本大震災で大変な被害を受けた東松島市。
災害廃棄物は325万t、平時の一般ゴミで換算すると
300年分以上に達する量でした。

この膨大なゴミを画期的な方法で解決したのが東松島方式です。
「混ぜればごみ、分ければ資源」を合言葉に、ゴミの山を19品目に
手作業で分別。さまざまな資源に再利用し3億円を超える収入
となりました。

途方もない手作業の原動力を東松島市の職員の方が語っておられます。
「被災者にとって災害廃棄物は、ごみではないんです。財産であり、
大切な思い出です。それを燃やす・埋めるというのは、気持ちの整理も
つかない。だからこそ分別を徹底して、可能な限りリサイクル
を進めていきました」

東松島市に見学に行かれた富山県医師会の種部先生が同じ思いを
医師会の会報に載せておられました。
「災害廃棄物は「ゴミ」ではない、というところでハッと
 気づきました。壊れた家財道具は、失った家族や知人や
 暮らしの大切な形見。廃棄物「処理」ではなく、人々や
 地域の思い出を心に刻んで未来の礎にする作業。」
       (医報とやま 令和6年10月号 種部 恭子)

医療において看取りの場は大切な未来作りの場です。
最期の想いを伝えあい、互いの感謝の気持ちが通じた時、
亡くなられた方は家族の記憶の中で、ずっと笑顔で家族を支えて
くださいますし、家族はその笑顔と一緒に逞しく生きていく
ことができます。

そんな大切な未来作りを支援するのが医療従事者の役割であり、
もう治らないから何もすることがないという
ことは決してありません。

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