
令和7年10月5日(日)稲田雅一院長が、富山県歯科衛生士会の皆様からご依頼いただき、在宅歯科医療をテーマに富山県歯科保健医療総合センターで講演しました。
【演題】「在宅歯科診療・訪問歯科診療 には 人生のものがたりがある♡」
~人生のものがたりを一緒に追いかけてみませんか~
稲田院長から、講演の様子が届きました。
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「在宅歯科診療・訪問歯科診療の人生ものがたり」をテーマに、日々の臨床の1コマをお届けします。
おせんべいを涙ぐんで食べられる方(※画像1)の思いを一緒に考えてみましょう。
毎日毎日、外来に通院される患者さんを診ています。
外来に来院される患者さんは、全身疾患を持たれている方もありますが、まだ自分の足で通院できる方です。
一方、通院できなくなった方の口腔内は、ご自身で口腔管理もできなくなり、悲惨な状態になっていることを在宅往診で目にします。
生まれてから亡くなられるまで、切れ目なく歯科医療を提供できるようにするにはどうしたら良いのでしょうか。外来で診させていただいている患者さんを、最後の最後まで診させていただく責任が問われているように、日々感じます。
患者さんの「生活」「家庭」「家」「日常環境」にまで目が届く歯科医療が切に望まれていると思います。
皆さんはどのように思われますか?
上記の抄録をもとに、講演を行いました。
今回の講演は、会場のみの対面の講演会でしたので、オンラインでの講演ではお話しできないことも取り上げることができました。
義歯の調整が終わって、「自分の歯で食べるのは美味しい。」と喜ばれ、笑顔で奥様の漬けたたくあんを召し上がられる、寝たきりの患者さん。
ドラマの「19番目のカルテ」の5話 こころはどこにある についてのやりとりを通じてのお話。
様々な人生ものがたりを通して、在宅歯科診療の一番大切なものは何なのかというテーマが少しでも参加された皆様と共有できたら幸いだと思いました。
【参加された多くの方から感想をいただきました】
★訪問歯科診療を行っていますが、摂食嚥下までしっかり口腔リハビリを
行えていません。
心の中では、「このままではダメだ。飲み込みまでみていかないと意味がない」
とわかっているのですが、歯科衛生士の私には力不足で行動に移せていません。
今後、摂食嚥下を勉強し、歯科医師にも摂食嚥下の重要性を伝えてリハビリ
できる体制にしてゆきたいと強く思いました。
★内科の知識と死を視野に入れた意識が必要という言葉を聞いて本当にそうだなと
思いました。
以前、認知症の方で食べられなくなったということで往診に伺った患者さんが
ありました。
口の中も乾燥し、プラークも多く口腔ケアだけをして帰りました。
2週間後にその方は亡くなりました。もっと何かできたのではないかと悔いが
残り、自分の知識の無さに落胆しました。実際何を勉強したらよいか悩みます。
このようなテーマでまた続けて稲田先生のお話しを聞きたいです。
★歯科診療について、再度考えさせられました。
患者さん、そのご家族の思いを受け止め治していくことで、患者さんやご家族の
幸福度が上がっていく。簡単なようで難しいとつくづく思いました。
私も考えさせられる素晴らしい感想ばかりで、
共に学んでいきたいと強く思いました。