昨年、子どもの自殺が500人を超えたということで子どものこころに何が起こっているのかというKNBいっちゃんメディコの取材に答えました。
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【明橋医師】
児童の自殺は高止まりして昨年は暫定値ですが512人の子どもが自殺で亡くなりました。間違いなくコロナの影響があると思います。辛くなった時に小学校、中学校なら学校を休むことができます。休んでも進級も卒業もできるからです。
高校生はどうでしょうか。学校を休んで出席日数が足りないと進級できず、留年もできないので結局、退学することになります。高校生になると休みづらいのです。
コロナストレスと一言で言われますが子ども達の状況は激変しました。学校行事が無くなることで楽しみを奪われ、発散の場、コミュニケーションがとれなくなったのです。
そういった子ども達の受け皿に大人がなれればよいのですが大人もコロナの影響を強く受けました。濃厚接触者になれば自分も休まなければいけませんし、他の人が休めば自分がその分、働かなくてはいけなくなります。大人もいっぱいいっぱいで子どもの訴えを受け止める余裕がありません。
子どもの自殺はコロナ前から高止まりしてありました。日本の子どもたちの精神的健康度はOECD((経済協力開発機構)はヨーロッパ諸国を中心に日・米を含め38カ国の先進国が加盟する国際機関)38カ国中37位と下から2番目です。
多くの子どもたちが日本では孤独であったり、深く傷ついており、誰にも相談できなくてひとりで抱え込んでいるという現状があります。
新型コロナは落ち着きつつありますが子どものメンタルヘルスからいうとむしろこれから出てくると思います。東日本大震災の時も避難所生活が終わって仮設住宅になってから非行や不登校が増えたというデータがあります。さまざまな症状が出るピークは4年後でしょう。今まで我慢してきたものが今後出てくる可能性は十分あります。
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